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2009年5月29日 (金)

インディーズ映画、百花繚乱(綿)

今週末から都内では、自主制作映画の特集上映がたてつづけに続きますねえ。
ちょっと列挙してみましょう。

5/30~6/5  大阪芸術大学「ダイゲイフィルムアワード2009 in TOKYO」
      渋谷ユーロスペース
5/29~5/31 「第21回東京学生映画祭」
      世田谷区北沢タウンホール
6/6~6/12  シネアスト・オーガニゼーション「CO2 in TOKYO」
      池袋シネマ・ロサ
6/27~7/3  東京藝術大学大学院映像研究科「GEIDAI#3」
      渋谷ユーロスペース
7/4、7/5  ニューシネマワークショップ「Movies High9
      東京国際フォーラム ホールD1
7/17~7/31 「第31回ぴあフィルムフェスティバル
      東京国立近代美術館フィルムセンター

山下敦弘、熊切和嘉などを輩出した「大阪芸大」による“ダイゲイフィルムアワード”は、今年の卒業制作をメインに、出身監督たちによる特別上映やワークショップもプログラムされかなり多彩な内容。しかも卒業制作のプログラムはすべて入場無料。大学の立地がちょっと山の方?らしく、なにもない田舎にかなり閉鎖された学生生活を送ることになるダイゲイ生の4年間は、娯楽が身近に転がっている都会の大学と違って、自分たちで遊びを無理やりクリエイトするしかない。だからこそ、ダイゲイOBからは各分野で活躍する面白いクリエイターを多く輩出しているのかもしれない。
一方東京・上野の森に位置する「東京芸大」は、映像学科の大学院なので大学生より少し年齢も高い分、技術もあって、内容的にもよく練られた落ち着いたトーンのものが多い印象がある。黒澤清、北野武の両教授のゼミを受けてきた生徒たちだけに、両教授からどんな指導を受けて作られた作品なのか、というところも注目されているだろう。
実際これまでの卒業生たちの作品もかなり評価が高く、西島秀俊、加瀬涼主演で劇場公開されていた「東南角部屋二階の女」の池田監督も第一期の卒業生だという。また昨年のフィルメックスのコンペで上映された2期生の濱口竜介監督「PASSION」も卒業制作作品だが、恋愛ドラマというジャンルや前置きが不要なほど、人間ドラマのなかにサスペンス性とアクション、そしてコメディがダイナミックにうごめく様は、映画の醍醐味を堪能させてくれる素晴らしいものだった。「次、何撮るの?どうすんの?いつ?」と問い詰めたくなる、次回作への渇望をもよおさせる監督の一人となった。

今年のゆうばり映画祭のオフシアターコンペで上映された10本を見てもそうしたハイレベル化は顕著だ。かつての“自主制作映画”という言葉が想起させるある種のつたなさや、妥協、「技術やお金が足りなくて思い通りにいかない部分もあるため仕方なくこうなってしまったんです」…的なものとは一切隔した、お金を取って観客を満足させるに足りうる、それ自体がレッキとした“映画”である。
ハリウッド映画に匹敵しても遜色ない、とは言わないが、「これ自主映画なんですけど…」と観客に前置きする必要は一切ない、そうしたものとなっているのである。(もちろんすべてがそうとは限らずに、やっぱり才能の数は限定されているものかもしれない。)
ゆうばりのオフシアターで、グランプリを受賞した入江悠監督の『SRサイタマノラッパー』はもはやその筆頭に挙げられる存在の映画だろう。

自主制作という映画を完成させる上での自力だけでなく、観客に届けるまでももはや制作者の自力なのだ。監督含めわずか3人でスタートしたこの映画は、監督が劇場からの協力を得て自主配給の形で公開をもともと決めていた。しかし3月のゆうばり映画祭でグランプリ受賞後するという最高のタイミングも手伝ってか、池袋シネマロサで公開されるや初日観客動員数を更新する大ヒットを記録し公開延長の快挙をなす。地方も名古屋、札幌、苫小牧、埼玉、仙台を回って、6/20からは東京で再上映が決定している。(その後もまだ上映は各地で続く予定)そして7月には韓国のプチョン映画祭での上映も決定している。インディーズで作られた映画はもはや映画会社からの配給の誘いを待つ必要もなくなっているのである。

★2009年自主配給で公開されたインディーズ映画たち
「へばの」(木村文洋)2009年2月ポレポレ東中野ほか
「女子女子over8」(オムニバス)2009年4月シネマート六本木
「今、僕は」(竹馬靖具)2009年2月アップリンクX
「殺しのはらわた」(篠崎誠)2008年12月吉祥寺バウスシアター
「亀」(池田将)2008年12月トリウッド
「岡山の娘」(福間健二)2008年11月ポレポレ東中野
「フツーの仕事がしたい」(土屋トカチ)2008年10月ポレポレ東中野
「ばけもの模様」(石井裕也)2008年6月池袋シネマロサ
「the hiding -潜伏-」2008年5月シネマアートン下北沢

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